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Archive for the ‘書評’ Category

Web-Communityのビジネスモデルに関する一考察 ?理念型としてのPlatform Allianceモデル?
伊佐田文彦、NUCB JOURNAL OF ECONOMICS AND INFORMATION SCIENCE VOL.47 NO.2
■概略
 ・Web-Communityをもとに、消費者と企業間における情報材の流通・加工を行おうとするビジネス・モデルの理念型として、プラットフォームの連携モデル(PAモデル)を提案。
 ・PAモデルは、消費者どうしのWeb-Communityを実現するプラットフォームと、供給者の情報を集約・加工するプラットフォームからなるモデルである。
 ・プラットフォームの意義として、3点挙げている。
  1.様々な主体が、プラットフォームを通じて、情報を発信できる場を提供すること
  2.情報の非対象性をできるだけなくすように、消費者が望む情報を公開し、より豊富に、より正確に提供することが競争優位の源泉となりうる。
  3.多様な情報の発信源からの情報を集め、それらを、カテゴリー化し、統一されたルールに基づいて整理していることで、より豊富な情報の中から、求める情報を効率的に収集できることにある。
 ・プラットフォームが1つではなく、複数のプラットフォームが連携している意義
  1.個人情報の秘匿性と信頼
    ・消費者個人の秘匿性が高く、かつ希少性が高い情報が、情報のプラットフォーム上で発信される状況をつくりだすためには、消費者が個人情報を発信しても良いと思える信頼が求められる。
    ・プラットフォームは、商品者サービスの供給者と消費者との間で中立的で、独立性を確保することが望ましく、そのためには、供給者側から情報発信を行うプラットフォームと、消費者側から情報発信を行うプラットフォームとは、別々のプラットフォームにするべきである。
  2.消費者プラットフォーム層の特徴
    ・消費者にとって望ましいプラットフォームとは、商品のジャンルというよりも、自らの嗜好やライフ・スタイルに応じて、それにふさわしい、あるいは同調したいとおもわれる、多種多様な情報が、一元的に入手できるようなプラットフォームということになる。
  3.供給者プラットフォームの特徴
    ・さまざまな商品やサービスの供給者が、プラットフォーム上で連携を行うことによって、それぞれの組織に属する経営資源が、それまでにない結合をすることで、新たな価値を創造する可能性が高まる。特に、インターネットを活かすことで、時間や空間の制約を超えて、多様な経営資源が連携することが可能になる。
    ・企業としても効率性と、消費者の求める多様性の欲求とは、直結させることが難しい。ここの企業が効率性を高めるために、スケールの拡大を図りつつ、ここの消費者の多様な欲求を満たすという矛盾する双方のニーズの折り合いをつけるのが、間に入るプラットフォームの存在意義となる。
  4.プラットフォーム・アライアシング戦略の利点
    ・消費者プラットフォームにおいて、何らかの商品やサービスに関する情報を発信する場合、回り回って自らが得になるような、何らかの見返りを期待していると考えると、そうした発言を促進するためには、流通の仕組みとの結合が必要になる。こうした流通の仕組みとして、また、プラットフォームが有効であるというのが、PAモデルの趣旨である。
    ・(消費者側と供給者)性格の異なるプラットフォームを、1つのプラットフォームの主体で実現することは、それぞれの論理が相矛盾するために難しい。1つの企業が、垂直統合的に消費者よりのプラットフォームと供給者寄りのプラットフォームを実行しようとするより、複数のプラットフォームの主体がアライアンスをする方が、それぞれにプラットフォームの利点を拡大していけることになる。
■総評
 ・利害関係にある消費者との1対1的なコミュニティではなく、中立的な立場にコミュニティを設置するという考えには同意。しかし、供給者とコミュニティの距離が離れれば離れるほど、統制可能性が減少する。もっとも、コミュニティという特性上、統制不可能な存在と最初から捉えるべきか。
 ・また、消費者の比較・検討プロセスを念頭に置いても、1者だけのコミュニティではなく、多数の企業が参加しているコミュニティの方が、利便性と利用率が高くなることが予想できる。
 ・よって、多数企業が参加するコミュニティプラットフォームを構築するという概念は良いと思う。但し、「良質なクチコミが自然発生的に集まる」仕組みに関する考察が足りないため、理念は良くても実現性・実行性に疑問が残る。むしろ、クチコミに参加する企業を集めることよりも、実行することの方が難しい。

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■ポイントを抜粋
 →「エンゲージメント」というコンテクストで語ると、どうやって彼らをして他の消費者に向けて語ってもらうか、どうやってファンをつくるかと言う話になります。製品だけではなく、すべてのタッチポイントでのコミュニケーションやサポートをきちんと整備することによってファンをつくって、それが絆や関係性を創っていく、それが「エンゲージメント」であると。(織田浩一)
 →生活者はもうコントロールできないことが明らかになったので、インタラクティブメディア対マスメディアという議論から、統合マーケティングでどう効果をあげるかということに議論が移ったということなんです。(勝野正博)
 →米国の話になりますが、レクサスは、いかに生活者に振り向いて発見してもらって、関係を培ってもらえるかという視点で、プロモーションやマーケティングを考えているそうです。(織田)
 →ブランディングというのはそれで終わってなくても、体験があるわけです。実際の商品を使ったり、そのカスタマーサポートに触れたり...。そして、実際に体験したことについて、今、消費者はフィードバックができる。たぶん「ブランド体験」をきちんとブランディングの一部であるというふうに再定義してやらないといけないと思います。(織田)
 →「エンゲージメント」という言葉から考えると「約束を果たす」みたいなこと。大きな企業のブラントほど、生活者に対してコミットメントして、約束に対してそれをちゃんと守るという信頼が重要でしょう。それがマーケッターにも問われているんじゃないかと思いますし、またメディアそのものにも問われていると思います。(勝野)
■エンゲージメントは、顧客中心主義でなければならない(ドン・シュルツ)
 →見るべき点なし
■総評
 ブランドプロミスとブランドエクスペリエンスの重要性を再認識。プロミスが一次情報として、メディアを経由して消費者に発信し、エクスペリエンスが二次情報として、CGMを経由して消費者に発信されている。つまり、有効なプロミスの存在が重要で、プラスアルファで二次情報が伝播する(自然な、必然性のある)仕掛けづくりが重要。最初のプロミスがない企業は、そもそもエンゲージメントとか考えない方がよい。どうせ成功しないから。

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■ポイントを抜粋
 →これからお客さまとの間で一番重要になってくるのが、Web2.0やCGMと総称されるようなコミュニケーションツールの活用以上に、消費者の企業の商品サービスへの「信頼」をどう醸成していくかということではないかと思います。
 →私どもが一つの仮設で考えておりますのは「ネットワーク」ということです。お客さまは1人じゃないということなのです。お客さまは、自分の消費の満足度を最大化するために他者の影響を受けないというのが経済学の前提なのですが、実際起こっていることというのは、やはり見せたい、見せびらかしたいという気持ちがあり、他者の影響を多分に受けているわけです。そうするともうこれはOne to Oneではない、つまり、Youの時代からOnesの時代になってくるわけです。One to Oneではなくて、むしろ One to Onesだとお考えになったらいいのではないかと思います。
 →排除性の論理ですけれども、「DS-Lite」がないと子供同士は遊べないということになっています。「DS-Lite」があるかないかで遊べるか遊べないかが、仲間になれるかなれないかが決まってくるのです。
 →お客さまというのは1人んじゃない。お客さまというのはどうもネットワークを形成しているようだというのが、私どもの研究でもわかって参りました。これは最近のネットワーク理論がベースとなってきますけれでも、ネットワークの類型です。つまり、メーカー、企業がいてひとりひとりのお客さまにひとつひとつ説得していくマス型のイメージを、マスネットワークというひとつのイメージとして持っているわけですが、実際はそうでもありません。ネットワーク理論はどんどん発達しておりまして、少なくともマスネットワークに対して少なくとも三つのネットワークがありそうだということです。
 →これからのマーケティングを考えていこうとすると、どうやって信頼を構築できるかということがポイントとなります。
 →納豆ダイエット事件では、一挙に10倍まで認知率が拡大していきます。まず、どうやってこれだけの短期間で認知率が上がったのか、というのがひとつのポイントになります。これは、マスコミが圧倒的に報道したからだというように一般的には思われがちなのですけれども、実は口コミとか他メディアがもの凄く関与しているということなのです。インターネットの影響は極めて少ない。インターネットが登場してくるのは、謝罪会見が行われた後です。
 →結論から言いますと、納豆は150%売り上げが上がっているのです。マーケティング的にみますと、こんな凄いプロモーションはなかったということになります。いくら「コカ・コーラ」がおまけ付きプロモーションをやっても売上150%には到達しない。それだけ凄いキャンペーンだったということです。
 →なぜか?というところが現代マーケティングの学ぶべきポイントということになります。これは、信頼が得られたからというのが、ひとつの結論になります。どうして信頼が得られたかというと、周りが信頼したからということになります。そのような、いわゆる、循環的累積的因果関係というものが作用して、信頼されるような構造になっていったということになります。
 →どうして信頼したのか、どうして信頼して納豆ダイエットをやったのか、ということですが、そもそも納豆に対して好感を持っていたというのが理由のひとつです。番組を見た人の67%が納豆ダイエットを信頼したわけですけれども、そもそも好感を持っていたことがひとつめです。ふたつめは情報ニーズを強く持っていたということがあります。約6,000万人の人が高脂血症、高血糖、高血圧を危惧しています。その人たちの情報ニーズが凄く強いわけです。情報ニーズが強いところへ情報不足が起こって、情報不足のところに対して情報を与えてやるとそれがすぐ受け入れられる、それがクチコミというが、デマが伝播していくひとつのメカニズムなのです。三つめに、累積的循環的効果、つまり周りの人たちがどんどん口コミにのせていくから信頼度が高まったのではないかということがあります。通常テレビというのは信頼されておりません。だいたい20数%の人しかテレビの情報に対する信頼感を持っていないのです。ところが、「あるある」に関しては60数%の人が信頼感を持ちました。それはむしろ、番組そのものよりも、メディアそのものがこんなふうに急速に広がっていったことによって、周りがそれを信じていると思い始めたことによって、自分が信じ始めることが必要だったのではないかと言えるのではないかと分析しているわけであります。
 →私どもがこれからのマーケティングを考えていこうとした時に、2007年のポイントというのは恐らく、情報の信頼性をどうたって構築していくか、醸成できるか、信頼されないメーカーをどのようにして信頼してもらえるようにするかということになると思います。
■書評
 「偽」と「信頼」。この対局にある言葉が2007年のキーワードだったということか。日本の商取引が信頼から疑いに変わりつつあり、そのことは消費者に対して「探索コスト増」を強いることとなっている。クチコミが見られているというのも、このこととは無縁とは言えない。社会資本インフラが崩壊しつつある中、信頼はますます重要となるし、信頼感を醸成することができるクチコミ情報の重要性もさらに増してくる。ただ、結局は企業の姿勢に帰結する問題に過ぎない。ようはやる気があるかないか。全てをさらけ出すことで相互理解を生むことができるか否か。月並みではあるが、ブランドプロミスとブランドエクスペリエンスのサイクルをしっかりと回すことがまずは基本。約束も果たせていないと思われている企業が対話しても逆効果だから。

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そういえば、こっちには載せていなかったので、amazonアソシエイトリンク作成も兼ねて転載。
著者の神田さん自身が”CGM”をずっと地で行っている方だけに、
“CGM”という側面にスポットを当てて、「Web2.0でビジネスが変わる」
というテーマを書かれている。というか、Web2.0関連の本で、
ここまで”CGM”の比重が高い本も珍しい。技術的な話は殆ど無し。
最終章の「メディアルネサンス」に書かれた、『エンドユーザーは、
時に情報リテラシーの高い「消費生産者」となる』という一文が
残った。
ただ、”新書”だからか、話に深みは無いので、入門書という位置付けかな。

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アドバタイジング vol.14 特集「進化するIMC」
非常に読み応えのある内容で、まだ半分しか読めていない。
今のところ、一番興味深かったのが『「情報格差社会」のWOMコミュニケーション』(宮本史郎氏)。
感銘を受けた内容をメモ代わりに抜粋。

『自らのソーシャル・ネットワークを駆使することで、「何とかして”情報格差”を解消しなければ」という消費者心理や消費者行動(AISAS)が、企業のマーケティング・コミュニケーション活動に無視できないチカラを持ち始めた』(P47)

「賢い消費をしたい→情報を入手しないといけない」という行動によって、「情報格差の解消」が
図られるということですが、重要なのは今日の消費者はそれほどまでに能動的(active customer)
であるという事実。とにかく、納得行くまで調べます。何を調べるのか?それは価格であったり評価。
価格は価格比較に任せるとして、評価情報をどこで得るのか?アメリカではconsumerpediaという
サイトがあります。あまり機能していないようですが(笑)。日本では@cosmeが代表例でしょうか。
ただ、「○○を買いました!」「○○を使ってみました!」みたいな生々しいブログの日記があれば、
それがもっとも手垢の付いていない、リアルな評価として認識されると思います。
こうしたブログとアフィリエイトの仕組みが重なり合って、評価情報のproduceとアフィリエイト利益での
消費者professionalというconsumer(prosumer)が誕生していて、消費者の購買行動に多大な
影響を与え始めています。

『「マスコミ対口コミ」、「マスメディアを代替する口コミ」というニュアンスで口コミが注目されがちであるが、企業にとって制御が難しい口コミは、それだけを単体の戦術として取り出して考えるにはリスクが伴う』(P48)

「クチコミ」って一言で言ってしまうと、これまでと大きな差を感じません。「まぁ、そういうのは
below the lineの世界ね」って一蹴されてしまうと。そうではなくて、全てのコミュニケーション活動に
おいて、「クチコミ」を意識して設計する必要があると思います。繰り返しですが、購買行動への
クチコミ影響力が非常に高まっています。また、生活者はCGMというメディアを持っています。
マーケターは、「クチコミ・CtoC」を中心にクロスメディア戦略を考えるというぐらいのperception change
があっても良いと思います。

『マーケターが口コミにおいて関与可能なのは、「話す理由やきっかけ、場作り」』(P49)

この関与の度合いが難しい。どこまで踏み込んで良いのか。いろいろ考えますが、現状は宮本氏と
同じで「きっかけ、場作り」ぐらいまでと私も考えています。特にネットの住人は企業発想から起こる
“不自然”なコミュニケーションを嫌います。ネットというメディアは、一部の大資本家やメディアの物
では無く、ネット住人の物です。企業からの関与は慎重に行わないといけません。

『知名効果の高いこのBuzz的口コミと、商品そのものの評価や推奨情報(advocacy)を含む口コミを、
区別しなければならない』(P49)

最近増えている”自称Buzz Agency”にこそ耳を傾けてもらいたい。advocacyをbuzzと呼ばないで
欲しいですね。混乱してしまいます。よりダイレクトマーケティングというか消費に直結しやすいのは
advocayの方ですね。私がよく言う「アフィリエイトでのクチコミ」というのも良質なadvocacyの生産に
よる、直接的な購買行動促進を狙っています。それは、私がE-Commerceのマーケティングを
しているからです。メーカーやブランドの立場では、advocacyよりもbuzzの方が有効です。
しかし、この内容で1,000円とは安い。興味のある人は、ぜひ購入してください。
内容のおもしろさは私が保証します(って、つまらなくても返金しませんけどね(笑)

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書評本文は、下のリンクより『ビルコレ お買い物を楽しむSNS型クチコミサイト』をご覧ください。

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち
ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち

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テレビCM崩壊

学生時代に広告・マーケティングを専攻するゼミにいたこともあって、広告業界志望で就職活動を
しようとしていた頃に出会った本。
『マルチメディア時代のマーケティング革命』

『売るな、語れ』とか『インボルブ・マーケティング』とか、今読み直しても十分説得力のある名著だと思う。
消費者へのパワーシフトは今に始まったことではなく、既に起きていたこと。
そして、消費者に一方的にメッセージを伝えるのではなく、会話をすること。
消費者を巻き込むブランド・エクスペリエンスを通したエヴァンジェリスト化。
この本を読んで、マスマーケティングやマス広告ではなく、消費者と直接つながる
ダイレクトコミュニケーション、ダイレクトマーケティングへと興味が変わり、
実際にそういう会社に入って、経験もできた。時代も着実に変わってきた。
学生時代にこの本に出会えて良かった。
そして、いま広告・マーケティングを志す学生が読んで欲しい本はこれ。
『テレビCM崩壊』
きっと、人生を変える一冊になると思う。
書評はこちら↓

テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0
テレビCM崩壊 マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0

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