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Archive for 2008年1月

Web-Communityのビジネスモデルに関する一考察 ?理念型としてのPlatform Allianceモデル?
伊佐田文彦、NUCB JOURNAL OF ECONOMICS AND INFORMATION SCIENCE VOL.47 NO.2
■概略
 ・Web-Communityをもとに、消費者と企業間における情報材の流通・加工を行おうとするビジネス・モデルの理念型として、プラットフォームの連携モデル(PAモデル)を提案。
 ・PAモデルは、消費者どうしのWeb-Communityを実現するプラットフォームと、供給者の情報を集約・加工するプラットフォームからなるモデルである。
 ・プラットフォームの意義として、3点挙げている。
  1.様々な主体が、プラットフォームを通じて、情報を発信できる場を提供すること
  2.情報の非対象性をできるだけなくすように、消費者が望む情報を公開し、より豊富に、より正確に提供することが競争優位の源泉となりうる。
  3.多様な情報の発信源からの情報を集め、それらを、カテゴリー化し、統一されたルールに基づいて整理していることで、より豊富な情報の中から、求める情報を効率的に収集できることにある。
 ・プラットフォームが1つではなく、複数のプラットフォームが連携している意義
  1.個人情報の秘匿性と信頼
    ・消費者個人の秘匿性が高く、かつ希少性が高い情報が、情報のプラットフォーム上で発信される状況をつくりだすためには、消費者が個人情報を発信しても良いと思える信頼が求められる。
    ・プラットフォームは、商品者サービスの供給者と消費者との間で中立的で、独立性を確保することが望ましく、そのためには、供給者側から情報発信を行うプラットフォームと、消費者側から情報発信を行うプラットフォームとは、別々のプラットフォームにするべきである。
  2.消費者プラットフォーム層の特徴
    ・消費者にとって望ましいプラットフォームとは、商品のジャンルというよりも、自らの嗜好やライフ・スタイルに応じて、それにふさわしい、あるいは同調したいとおもわれる、多種多様な情報が、一元的に入手できるようなプラットフォームということになる。
  3.供給者プラットフォームの特徴
    ・さまざまな商品やサービスの供給者が、プラットフォーム上で連携を行うことによって、それぞれの組織に属する経営資源が、それまでにない結合をすることで、新たな価値を創造する可能性が高まる。特に、インターネットを活かすことで、時間や空間の制約を超えて、多様な経営資源が連携することが可能になる。
    ・企業としても効率性と、消費者の求める多様性の欲求とは、直結させることが難しい。ここの企業が効率性を高めるために、スケールの拡大を図りつつ、ここの消費者の多様な欲求を満たすという矛盾する双方のニーズの折り合いをつけるのが、間に入るプラットフォームの存在意義となる。
  4.プラットフォーム・アライアシング戦略の利点
    ・消費者プラットフォームにおいて、何らかの商品やサービスに関する情報を発信する場合、回り回って自らが得になるような、何らかの見返りを期待していると考えると、そうした発言を促進するためには、流通の仕組みとの結合が必要になる。こうした流通の仕組みとして、また、プラットフォームが有効であるというのが、PAモデルの趣旨である。
    ・(消費者側と供給者)性格の異なるプラットフォームを、1つのプラットフォームの主体で実現することは、それぞれの論理が相矛盾するために難しい。1つの企業が、垂直統合的に消費者よりのプラットフォームと供給者寄りのプラットフォームを実行しようとするより、複数のプラットフォームの主体がアライアンスをする方が、それぞれにプラットフォームの利点を拡大していけることになる。
■総評
 ・利害関係にある消費者との1対1的なコミュニティではなく、中立的な立場にコミュニティを設置するという考えには同意。しかし、供給者とコミュニティの距離が離れれば離れるほど、統制可能性が減少する。もっとも、コミュニティという特性上、統制不可能な存在と最初から捉えるべきか。
 ・また、消費者の比較・検討プロセスを念頭に置いても、1者だけのコミュニティではなく、多数の企業が参加しているコミュニティの方が、利便性と利用率が高くなることが予想できる。
 ・よって、多数企業が参加するコミュニティプラットフォームを構築するという概念は良いと思う。但し、「良質なクチコミが自然発生的に集まる」仕組みに関する考察が足りないため、理念は良くても実現性・実行性に疑問が残る。むしろ、クチコミに参加する企業を集めることよりも、実行することの方が難しい。

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■ポイントを抜粋
 →「エンゲージメント」というコンテクストで語ると、どうやって彼らをして他の消費者に向けて語ってもらうか、どうやってファンをつくるかと言う話になります。製品だけではなく、すべてのタッチポイントでのコミュニケーションやサポートをきちんと整備することによってファンをつくって、それが絆や関係性を創っていく、それが「エンゲージメント」であると。(織田浩一)
 →生活者はもうコントロールできないことが明らかになったので、インタラクティブメディア対マスメディアという議論から、統合マーケティングでどう効果をあげるかということに議論が移ったということなんです。(勝野正博)
 →米国の話になりますが、レクサスは、いかに生活者に振り向いて発見してもらって、関係を培ってもらえるかという視点で、プロモーションやマーケティングを考えているそうです。(織田)
 →ブランディングというのはそれで終わってなくても、体験があるわけです。実際の商品を使ったり、そのカスタマーサポートに触れたり...。そして、実際に体験したことについて、今、消費者はフィードバックができる。たぶん「ブランド体験」をきちんとブランディングの一部であるというふうに再定義してやらないといけないと思います。(織田)
 →「エンゲージメント」という言葉から考えると「約束を果たす」みたいなこと。大きな企業のブラントほど、生活者に対してコミットメントして、約束に対してそれをちゃんと守るという信頼が重要でしょう。それがマーケッターにも問われているんじゃないかと思いますし、またメディアそのものにも問われていると思います。(勝野)
■エンゲージメントは、顧客中心主義でなければならない(ドン・シュルツ)
 →見るべき点なし
■総評
 ブランドプロミスとブランドエクスペリエンスの重要性を再認識。プロミスが一次情報として、メディアを経由して消費者に発信し、エクスペリエンスが二次情報として、CGMを経由して消費者に発信されている。つまり、有効なプロミスの存在が重要で、プラスアルファで二次情報が伝播する(自然な、必然性のある)仕掛けづくりが重要。最初のプロミスがない企業は、そもそもエンゲージメントとか考えない方がよい。どうせ成功しないから。

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■ポイントを抜粋
 →これからお客さまとの間で一番重要になってくるのが、Web2.0やCGMと総称されるようなコミュニケーションツールの活用以上に、消費者の企業の商品サービスへの「信頼」をどう醸成していくかということではないかと思います。
 →私どもが一つの仮設で考えておりますのは「ネットワーク」ということです。お客さまは1人じゃないということなのです。お客さまは、自分の消費の満足度を最大化するために他者の影響を受けないというのが経済学の前提なのですが、実際起こっていることというのは、やはり見せたい、見せびらかしたいという気持ちがあり、他者の影響を多分に受けているわけです。そうするともうこれはOne to Oneではない、つまり、Youの時代からOnesの時代になってくるわけです。One to Oneではなくて、むしろ One to Onesだとお考えになったらいいのではないかと思います。
 →排除性の論理ですけれども、「DS-Lite」がないと子供同士は遊べないということになっています。「DS-Lite」があるかないかで遊べるか遊べないかが、仲間になれるかなれないかが決まってくるのです。
 →お客さまというのは1人んじゃない。お客さまというのはどうもネットワークを形成しているようだというのが、私どもの研究でもわかって参りました。これは最近のネットワーク理論がベースとなってきますけれでも、ネットワークの類型です。つまり、メーカー、企業がいてひとりひとりのお客さまにひとつひとつ説得していくマス型のイメージを、マスネットワークというひとつのイメージとして持っているわけですが、実際はそうでもありません。ネットワーク理論はどんどん発達しておりまして、少なくともマスネットワークに対して少なくとも三つのネットワークがありそうだということです。
 →これからのマーケティングを考えていこうとすると、どうやって信頼を構築できるかということがポイントとなります。
 →納豆ダイエット事件では、一挙に10倍まで認知率が拡大していきます。まず、どうやってこれだけの短期間で認知率が上がったのか、というのがひとつのポイントになります。これは、マスコミが圧倒的に報道したからだというように一般的には思われがちなのですけれども、実は口コミとか他メディアがもの凄く関与しているということなのです。インターネットの影響は極めて少ない。インターネットが登場してくるのは、謝罪会見が行われた後です。
 →結論から言いますと、納豆は150%売り上げが上がっているのです。マーケティング的にみますと、こんな凄いプロモーションはなかったということになります。いくら「コカ・コーラ」がおまけ付きプロモーションをやっても売上150%には到達しない。それだけ凄いキャンペーンだったということです。
 →なぜか?というところが現代マーケティングの学ぶべきポイントということになります。これは、信頼が得られたからというのが、ひとつの結論になります。どうして信頼が得られたかというと、周りが信頼したからということになります。そのような、いわゆる、循環的累積的因果関係というものが作用して、信頼されるような構造になっていったということになります。
 →どうして信頼したのか、どうして信頼して納豆ダイエットをやったのか、ということですが、そもそも納豆に対して好感を持っていたというのが理由のひとつです。番組を見た人の67%が納豆ダイエットを信頼したわけですけれども、そもそも好感を持っていたことがひとつめです。ふたつめは情報ニーズを強く持っていたということがあります。約6,000万人の人が高脂血症、高血糖、高血圧を危惧しています。その人たちの情報ニーズが凄く強いわけです。情報ニーズが強いところへ情報不足が起こって、情報不足のところに対して情報を与えてやるとそれがすぐ受け入れられる、それがクチコミというが、デマが伝播していくひとつのメカニズムなのです。三つめに、累積的循環的効果、つまり周りの人たちがどんどん口コミにのせていくから信頼度が高まったのではないかということがあります。通常テレビというのは信頼されておりません。だいたい20数%の人しかテレビの情報に対する信頼感を持っていないのです。ところが、「あるある」に関しては60数%の人が信頼感を持ちました。それはむしろ、番組そのものよりも、メディアそのものがこんなふうに急速に広がっていったことによって、周りがそれを信じていると思い始めたことによって、自分が信じ始めることが必要だったのではないかと言えるのではないかと分析しているわけであります。
 →私どもがこれからのマーケティングを考えていこうとした時に、2007年のポイントというのは恐らく、情報の信頼性をどうたって構築していくか、醸成できるか、信頼されないメーカーをどのようにして信頼してもらえるようにするかということになると思います。
■書評
 「偽」と「信頼」。この対局にある言葉が2007年のキーワードだったということか。日本の商取引が信頼から疑いに変わりつつあり、そのことは消費者に対して「探索コスト増」を強いることとなっている。クチコミが見られているというのも、このこととは無縁とは言えない。社会資本インフラが崩壊しつつある中、信頼はますます重要となるし、信頼感を醸成することができるクチコミ情報の重要性もさらに増してくる。ただ、結局は企業の姿勢に帰結する問題に過ぎない。ようはやる気があるかないか。全てをさらけ出すことで相互理解を生むことができるか否か。月並みではあるが、ブランドプロミスとブランドエクスペリエンスのサイクルをしっかりと回すことがまずは基本。約束も果たせていないと思われている企業が対話しても逆効果だから。

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